号車別のフリースペース設置率を調査|UI改善 #7

どの程度設置されているの?

前回、小田急線のフリースペース位置案内のプロトタイプを制作しました。ここでは、従来通りの「必ずフリースペースがある共通位置」の情報に加え、「設置されている可能性がある」情報も取り入れました。

そのうち、「設置されている可能性がある」車両については、実際にどの程度の設置率なのか示す必要があると考えました。

そこで今回は、小田急線の全ての両数パターンで、各号車でどの程度の設置率であるのかを算出しましたので、その結果を取り上げたいと思います。

号車別に設置率を算出

表計算ソフト(Numbers)で算出しました。号車別の設置率としては、画像中の青色の通りとなりました。

算出方法

①各両数に分類し、それぞれの両数に対して当てはまる形式を全て書き出します。

小田急線の場合は、10両・千代田線直通・8両・6両・4両に分類しています。なお、1000形4連+1000形4連(8両)のような、イレギュラーな形式(編成)は組み込んでいません。

②それぞれの形式内の号車の列に、フリースペースが設けられている場合は「1」、設けられていない場合は「2」と入力します。

③各形式の編成数を書き出します。

④各号車における合計設置数を算出します。

⑤合計設置数を編成数で割ります。ここで、号車別の設置率が算出されます。

10両編成は6号車も多く設置されている

千代田線に直通しない通常の10両編成では、両先頭車の設置率が100%と算出できました。それに加え、6号車(4番ドア)の設置率も7割に近い数値であることが特徴的です。

これは6号車の多くが、中間先頭車であることが理由となります。

小田急車の10両編成は、8000形が多く運行されています。この8000形は10両固定編成ではなく、6両編成と4両編成が併結された構成となっています。同じように、3000形(6連)+1000形(4連)や3000形(6連)+8000形(4連)といった組み合わせも発生します。

そのため、10両編成中4両は先頭車が連結されています。

小田急車は、基本的に先頭の車両にフリースペースが設けられています。したがって、6号車にも多く設置されているという結果になります。さらに、新型の5000形も各号車にフリースペースが設けられているため、これらが合わさった結果、6号車の設置率が高く算出されています。

一方でこの理論でいくと、7号車の設置率も高いことが予測できます。

結論その通りですが、6両+4両のような併結車と5000形では設置位置が異なります。

そのため、号車としてみれば6号車と同じ設置率ですが、最寄りドア位置としてみると、併結車と5000形では設置位置が異なるため、設置率が変化します。

位置案内に設置率を表示

今回、全ての号車におけるフリースペース設置率を算出しました。

この設置率を位置案内に表示することで「設置されている可能性がある」車両は、実際にどの程度の設置率なのか理解できます。

優先度としては2番目くらいの情報ですが、共通位置以外の多くの情報を届けられそうです。

次回は、この設置率を盛り込んだ位置案内を制作しようと思います。

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