フリースペース利用状況の調査②|UI改善 #2
小田急線町田駅にて調査
前回の続きです。
2022/5/4(ゴールデンウィーク)の小田急線町田駅上りホームにて、車内のフリースペースがどの程度利用されているのか。
また、フリースペース以外の車内に乗車されている対象者はどの程度いらっしゃるのか。この3点を調査してきました。
調査対象者
・ベビーカーを伴った乗客
・車椅子使用者
・スーツケース等の大きな荷物を伴う乗客
調査結果
調査対象者は約0.1%
上り列車を目視にて調査しました。したがって、多少の誤差や確認漏れが発生していることを前提とします。
その結果、調査対象者は路線利用者(全体)のうち約0.1%と算出しました。
全体の乗車数と比較すると対象者は限られるので、どうしてもこのような結果にはなりますね。
路線利用者はの算出方法は以下に掲載します。こちらも個人的な判断が伴うため、大まかな数値として捉えてください。
①混雑率を推測
各種別における混雑率を推測します。(混雑率は国土交通省の目安を参考としています。)
調査日の「快速急行」は120%、「急行」は始発ということもあり30%、「各駅停車」は20%と推測しました。
②編成定員の平均を算出
10両編成(快速急行/急行)と8両編成(各駅停車)の編成定員の平均をそれぞれ算出します。
10両編成は、1000形(10連貫通車)・3000形・4000形・5000形・8000形の編成定員の平均として1,520名と算出しました。
8両編成は、2000形・3000形の編成定員の平均として1,229名と算出しました。
③調査時間における各種別の利用者数を算出
(編成定員×混雑率)×本数
①と②で算出した数値をもとに、上記の計算式に当てはめます。その結果
快速急行:10,944名
急行:1,368名
各駅停車:1,722名
このように推測しました。大まかな数値として捉えてください。
④各種別の推定利用者数を合算する
③の各種別の推定利用者数を合算した結果、14,034名と推定しました。
フリースペース利用状況
そして調査対象者におけるフリースペース利用状況ですが、このような結果となりました。
フリースペース利用者:10組
フリースペース以外の場所に乗車:18組
約6割の対象者が、フリースペース以外の場所に乗車されているのを確認できました。
意外と利用率は高い?
今回の調査を逆に捉えると、4割の対象者はフリースペースを利用されている事実が確認できました。
意外と利用率は高いのではないでしょうか?
3つの共通位置
その点を少し考察してみましょう。
小田急線の町田駅を通る電車は、画像のようなフリースペースパターンがあります。
異端なパターンとしては、真ん中の2号車の後方に設けられているパターンです。
このパターンは、東京メトロ千代田線(16000系)の車両とJR常磐緩行線(E233系2000番台)の車両に該当します。
この存在により、本来の両先頭車に行けばフリースペースがあるという概念は無くなります。正直混乱の原因でもあると思います。
町田駅は小田急車が多く入線
一方で町田駅には、朝夕の一部列車を除くと、フリースペースが2号車の後方に設けられているパターンの車両は入線しません。基本的には、町田駅手前の向ヶ丘遊園で該当の車両は折り返すため、入線しません。(画像:緑線)
したがって町田駅に入線する車両は、基本的には小田急の車両(=両先頭車にフリースペース)であるため、両端に行けばフリースペースが設けられているということになります。
フリースペースの利用率が4割あったという要因の一つとして考察できますね。
向ヶ丘遊園〜代々木上原の利用率は?
そうなると気になるのが、小田急車に加えて、画像のような2号車の後方に設けられている地下鉄直通車両も多く走行する向ヶ丘遊園〜代々木上原のフリースペース利用率です。
ということで、登戸駅でも同様の調査を行いましたので、この結果は次回の記事にて発信します。
今回はこれで以上です。