フリースペース利用状況の調査③|UI改善 #3

小田急線登戸駅にて調査

前回の続きです。

2022/5/14(土)の小田急線登戸駅下りホームにて、車内のフリースペースがどの程度利用されているのか。

また、フリースペース以外の車内に乗車されている対象者はどの程度いらっしゃるのか、調査してきました。

調査対象

調査対象としては、

12:30〜13:30に、登戸駅を発車する小田原/片瀬江ノ島方面の旅客列車18本を対象としています。

その上で、

・ベビーカーを伴った乗客

・車椅子使用者

・スーツケース等の大きな荷物を伴う乗客

の大きく3点を調査対象としてカウントすることとしました。

調査結果

調査対象者は約0.2%

上り列車を目視にて調査しました。したがって、多少の誤差や確認漏れが発生していることを前提とします。

その結果、調査対象者は路線利用者(全体)のうち約0.2%と算出しました。

全体の乗車数と比較すると対象者は限られるので、どうしてもこのような結果にはなりますね。

路線利用者はの算出方法は以下に掲載します。こちらも個人的な判断が伴うため、大まかな数値として捉えてください

①混雑率を推測

各種別における混雑率を推測します。(混雑率は国土交通省の目安を参考としています。)

調査日の「快速急行」は110%、「急行」は向ヶ丘遊園行きであることから30%、「各駅停車」は20%と推測しました。

②編成定員の平均を算出

10両編成(快速急行/急行)と8両編成(各駅停車)の編成定員の平均をそれぞれ算出します。

10両編成は、1000形(10連貫通車)・3000形・4000形・5000形・8000形・E233系2000番台の編成定員の平均として1,512名と算出しました。

8両編成は、2000形・3000形の編成定員の平均として1,229名と算出しました。

③調査時間における各種別の利用者数を算出

(編成定員×混雑率)×本数

①と②で算出した数値をもとに、上記の計算式に当てはめます。その結果

快速急行:9,978名

急行:2,718名

各駅停車:1,476名

このように推測しました。大まかな数値として捉えてください。

④各種別の推定利用者数を合算する

③の各種別の推定利用者数を合算した結果、14,172名と推定しました。

フリースペース利用状況

そして調査対象者におけるフリースペース利用状況ですが、このような結果となりました。

フリースペース利用者:6組

フリースペース以外の場所に乗車:27組

約8割の対象者が、フリースペース以外の場所に乗車されているのを確認できました。

フリースペース利用率が低い

町田駅と比較すると大きく異なる

今回の調査では、約8割の対象者がフリースペース以外の場所の乗車されている事実が確認できました。

前回の町田駅での調査では、約6割の対象者がフリースペース以外に乗車されていたこと(左グラフ)に対して、今回の登戸駅での調査ではフリースペース以外に乗車されている割合が高くなりました。

この現象について大きく2つの考察ができます。

登戸駅ではJR車から小田急車への乗り換えが多発

小田急線の登戸駅を通る電車は、画像のようなフリースペースパターンがあります。

異端なパターンとしては、真ん中の2号車の後方に設けられているパターンです。

このパターンは、東京メトロ千代田線(16000系)の車両とJR常磐緩行線(E233系2000番台)の車両に該当します。

前回と同様に、この複雑なフリースペースパターンも要因の一つと考えられますが、もう一点、登戸駅ならではの要因が考えられます。

それは、2号車の後方に設けられているパターンの車両は、登戸駅の次の駅である向ヶ丘遊園行きがほとんどです。(調査時間)

したがって、2号車の後方に設けられているパターンの車両に乗車されている対象者の中で、向ヶ丘遊園以降が目的の方は、快速急行停車駅である一つ手前であるこの登戸駅で、後発の小田原/片瀬江ノ島方面の列車に乗り換えます。

ただし、後発の列車は同じホームに入線するため、降りたホームでそのまま後発の列車を待機することになります。

したがって、もともとフリースペースが設けられていた2号車でそのまま待機すると、後発の小田急車両ではフリースペースが設けられていない事象が発生します。

本来は、両先頭車に移動すれば解決しますが、次にどんな車両が入線するかまでは想定はしないでしょう。

登戸駅では、これも1つの要因と考えられますね。

エレベータ位置も関係している?

駅に設置されているエレベータの前に対象者が待機されている現象も多く目にしました。

多くはエレベータを利用されますが、登戸駅では3号車付近にエレベータが設置されており、調査対象車33組のうち13組がエレベータ付近(3号車)で列車到着を待機していました。

しかし、3号車には基本的にはフリースペースが設けられていません。(小田急5000形と東京メトロ16000系4次車はフリースペースあり)

したがって、フリースペース以外に乗車されている対象者も増加したと考えられます。

一方で、町田駅でもエレベータはホーム中央寄りにありますので、登戸駅だけの要因ではなさそうですね。

フリースペースの認知度は低い

町田駅と登戸駅で調査を行いましたが、フリースペースの認知度は低いことは改めて確認できました。

今後は、この調査をもとに

・対象者は何を必要としているのか

・どのような情報源を発信すべきなのか

という点を考察し、当サイトのUI改善を進めようと思います。進捗がありましたら、また更新いたします。

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